雑誌 「100分de名著 シェイクスピア『ハムレット』」
2014-12-31


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 単なる復讐劇のように持っていましたが、ハムレットの内容が非常に深いのが感じられます。ロマン主義以来、ハムレットは意志の弱い優柔不断な青年とされてきた。彼はなぜ復讐を先延ばしにするのか。そこに「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の姿が、そして神ならぬ人間が正義の実現を目指す過程が描かれている。運命に耐えるか、激情にまかせて戦うかが描かれています。

 しかし、後半から話が大きく変化していきます。最後の悟りのような「Let be なるようになればよい」という言葉が出てきます。これは、消極的な締めくくりではなく、今後の生き方を示しています。

 刻々と過去に変わっていく現在で、自分の力だけで生きていくよりも、未来へ向かく現在を運命や自然とともに生きていくべきであり、立派な英雄などになれなくても、なるようになる天命のなかで、最善の生き方を尽くすという考えになる。

[雑誌]

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