あまり時間がなく、読んでいる余裕がなかったため、購入していたのですが、やっと読むことができました。
1月の番組でしたが、世阿弥の風姿花伝の内容は、日常で使っている言葉の元であることに驚きました。風姿花伝は600年前に書かれた書籍で、能の奥義を書いた秘伝書でしたが、明治に入って人々の目に触れるようになった。風姿花伝は能に関わる内容ですが、能をビジネスとしてとらえると、市場を勝ち抜くための戦略論としての内容が書かれてあります。そのため、風姿花伝が現代でも読まれているのが感じられます。テキストでは、ピーター・ドラッカーの「マネジメント」と比較して説明しているところもあります。
「珍しきが花」という、物事の新しい切り口やとらえ方を創造することが革新であり、これまでよかったからと言ってそこに安住していると、結局何も進歩しない。どんなによくても、それを壊して、超えていくということを考えなければならない。
「初心忘れるべからず」という、それぞれの年代で、今の自分の限界の中で何をしていったらもっとよいのかを考えることが必要である。
「離見の見」という、自分の周りで起こっているさまざまなことを、自分とは関係がないものとして考えるのではなく、それを引き込みながら自分を作り上げて、常に自分もそこに関わりあっていくという態度である。
「秘すれば花」という、たった一つの奥の手ではなく、どこかで利用するが、使ってしまえば公になり、「秘した花」ではなくなる。そのために、それまでに秘した花を、新たに用意しておく必要がある。常にイノベーションを考えて、用意しておく必要があることが書かれてあります。
『風姿花伝』は、面白そうなので、一度、読んでみようと思っています。
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